設計工房 悠
鈴玲ヶ丘の家
竣工 2023年
主要用途 専用住宅
延床面積 170㎡
構造 木造在来工法
規模 地上2階
施工 (株)矢口工務店
DLD(薪ストーブ) Rooms(製作キッチン) おおまち林業(伐採工事) 山崎屋木工製作所(木製サッシ)
掲載 信州の建築家とつくる家19
クライアントのMさんからのメール(20230311)
首都圏から安曇野に移住されたご夫婦が暮らす住宅。
最初に建築相談のメールを頂いたのが2020年の10月です。
掲載誌(信州の建築家とつくる家15集・原村の家を掲載)やホームページを見てお問い合わせを頂きました。
私たちの設計した建物から『呼吸しているような生きた家』の空気感を感じたそうです。
購入した土地を見せて頂き、プレゼン案を気に入って頂き、設計監理のお手伝いをさせて頂く事になりました。
住まいに関するご要望は
■ 環境に対して謙虚に順応する家
■ 何気ない佇まい
■ 前川國男自邸の落ち着いた美しい外観、大きな開口部
■ 薪ストーブ
■ 映画で例えるなら小津安二郎の厳格な構図
森に囲まれた豊かな自然環境の中、軒を深く出した大きな切妻屋根をかけ、外壁の杉板を黒く塗装した何気ない静かな佇まい
敷地はほぼ平坦で、西側道路沿いの大きな二本のタモの樹と東側の山桜を残すように建物を配置しています。
敷地内には赤松が多く点在していましたが、松くい虫の被害が拡大する事が予想されたので、健全木を含め伐採しました。
暮らしの中心は南と北に大きな開口のあるリビング・ダイニング
吹抜のあるリビングはダイナミックな空間で、南面の開口はデッキにつながり、
上部のピクチャ-ウィンドウは四季折々、時間と共に変化する木立の景色を映し出します。
ダイニングは天井高を抑え、北面の開口からは、安定した光が入ってきます。
リビングにつながる書斎は、ご主人のリモートワークの場であると共に、
大好きな本をたっぷり収納できる本棚のあるファミリー・ライブラリーのようなスペースです。
吹抜を介して二階のゲストルームは一階と緩やかにつながります。
リビングに置かれた薪ストーブが主暖房ですが、併用して『びおソーラー』を採用しました。
びおソーラーに室内循環機能を付加することで、室内の空気を積極的に動かしています。
設備に頼りすぎず、自然にある『熱』と『空気』を利用して、穏やかな温熱感と空気感を作り出しています。
「今までは、やるべきことが沢山あって、時間に追われていたように感じていましたが、
この家では、お天気を見ながらやりたい時にやりたいことを優先しています・・・」