『鈴玲ヶ丘の家』のお引渡しをさせて頂きました。
はじめてメールでお問い合わせ頂いたのが2020年の10月です。
掲載誌(信州の建築家とつくる家15『原村の家』掲載)とホームページを見られて、ご相談頂きました。
関東圏にお住まいで、二拠点生活になりますが、
近い将来にはご夫婦で安曇野をメインの住まいにとのお考えでした。
すぐに購入された安曇野の敷地を拝見しました。
住まいに関するご要望は
■環境に謙虚に順応する家
■何気ない佇まい
■安曇野の風土・景観に合った家
■前川國男自邸の落ち着いた美しい外観 大きな開口部
■映画に例えるなら小津安二郎の厳格な構図
■呼吸しているような生きた家
ご提案させて頂いたプレゼン案を気に入って頂き、設計監理のお手伝いをさせて頂く事になりました。
↑プレゼン時の提案模型
敷地は西側に未舗装の道路があり、敷地内には赤松と広葉樹(ナラ・クヌギ・山桜)がありました。
周りは赤松の松くい虫被害が多くみられるようになってきてしまい、
敷地内の赤松は伐採する事にしました。建物に影響の無い広葉樹は残しました。
西側の道路側にあった2本の大きな『ナラの木』を残し、
道路と平行に切妻の大屋根を架け、その中に住居部分を納めました。
大屋根とは別に緩い片流れの屋根を架け、2台分のガレージとしました。
建築だけが突出する事が無いように、出来るだけ高さを抑えています。
外壁は杉の目板貼りとし、一部は漆喰を塗っています。
主要室になるLDKは南北に大きな窓を設け、
南側に天井の高い吹抜のあるリビング
北側にリビングと繋がる天井高を抑えたダイニングとキッチン
リビングは屋根付きのデッキと繋げています。
LDKの東側に寝室と水廻り、西側に書斎と玄関を造っています。
天井高を抑えたダイニングとキッチンの上の北側の小屋裏を利用して2階にゲストルームを造っています。
↑吹抜(天井高4.1m)のあるリビング 南側の開口部は木製サッシ+吉村障子
床/唐松無垢板 壁/漆喰塗 天井/杉板
↑リビングと繋がる書斎 床/唐松無垢板 壁/漆喰塗 天井/AEP塗装
↑天井高(2.27m)を抑えたダイニング・キッチン アイランドキッチンと背面収納は製作
床/唐松無垢板 壁/漆喰塗・タイル貼り 天井/AEP塗装
↑2階ゲストルームは和室 天井高2.15m
床/縁付畳・赤松 壁/聚楽塗・湊紙貼り 天井/和紙クロス
↑2階ゲストルームの北側にある縁側の木製建具 外側のアルミサッシの枠を隠すような意匠に
昨日は竣工写真を撮影しながら、設計~現場監理の事を想い返していました。
『ウッドショック』による工事費の高騰等で予定の竣工時期が7カ月ほど遅れましたが
無事にお引渡しする事ができました。
Mさん、完成おめでとうございます。
安曇野での新しい暮らしを楽しんでください。
施工をお願いした矢口工務店さん
質の高い丁寧なお仕事をして頂きありがとうございました。
竣工写真は追ってホームページにUPします。
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