私が設計事務所に勤めていた頃(1991~2005年)は木材加工はほとんどが大工さんによる『手刻み』でした。
現在は木材加工のほとんどが『プレカット』になっています。(1989年の普及率7%、2018年の普及率93%)
プレカットは『Pre』(あらかじめ)と『Cut』(切る)を合わせた造語で、木材加工の工程の全てをコンピューター制御による機械で行います。
プレカットの普及によるメリットは
□工期短縮
□コスト削減
□加工精度が高く安定している・・・等
デメリットは
■複雑な加工(大工さんが造る伝統的な仕口)に向いていない
■木材の特色を活かせない(大工さんによる目利き)
■大工さんの技術を継承できない・・・等
現在、プレカット工法は建設業界には必要不可欠で、この先もますますプレカット化は進むでしょう。
設計事務所を開いて18年、50件近い建物の設計に関わりましたが、
手刻みによる木材加工は『子育て支援ぱおぱお』と『安曇野の家2』の2件のみです。
↑子育て支援 ぱおぱお(2006)
↑安曇野の家2
建物は設計が良くても、施工がしっかりしていなければ良いものにはなりません。
プレカット工法のメリット、手刻み(大工さんの技術)のメリットを理解した上で、住宅や別荘の設計を手掛けなければ・・・と思います。
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