発刊した『信州の建築家とつくる家17』のコラムに妻の文章が載っています。
大きな樹 百瀬 万里子
「敷地の持っている雰囲気、それがまず一点。全体がどういうものかってことをよく見るわけだよね。
そうして、今度は陽の光と風通しと、そういうものを見る。
それから周囲の道の取り付き方やなんか、その関係性をみる。そうすると、また自然に形がでてくる」
これは建築家の吉村順三さんの言葉です。
私は以前、古民家の再生をする事務所に勤めていました。
その土地の気候風土に合わせて永い年月をかけてつくりあげられてきた民家は、「自然に形が出てくる」という言葉とおりの建物だと思います。
そうしてもうひとつ、建て主さんがこれからおうちを建てる敷地にいらっしゃるところを見るのが好きです。
おうちができあがって、生活をしているイメージが見えるような気がして嬉しくなります。
その土いまいた木の実が自然に芽生えて建て主さんが育てて、健やかな大きな樹になる。
そういう建物が理想です。
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